書評・本の感想

「少女漫画家vsドイツ人」感想・レビュー その①人生の転機が訪れるとき・ネタバレあり

ローラララです。

 

この間、子供にリクエストされて
「ねこねこ日本史」という歴史漫画の本を調べていたら、

同じ実業之日本社さんが出版されている
夏目ひららさんのコミックエッセイ、
「少女漫画家VSドイツ人」という本を知り、

買ってみたらとてもおもしろかったので
感想を書いていきます!

 

 

ちなみに、ねこねこ日本史はこれです。
歴史上の登場人物がすべてねこです。
これもおもしろいです。

 

ものすごくがんばって夢を叶えようとしたエピソードに感動した。

 

アルトゥルさんの本の時も書いたのですが、
私は海外文化と日本文化を比較したコミックエッセイが好きです。

この本もドイツの文化と日本の文化を比較している部分がたくさんあって、
それはそれでとても興味深くておもしろかったのですが、

今回はもう一つ心に響いた別の内容について書いていきます。

(めちゃくちゃネタバレします。)

 

昔から漫画家の仕事に憧れてきた夏目ひららさん

 

漫画家の夏目ひららさんは小さいころからずっと
漫画家の仕事に憧れてきて、大人になって夢を叶えました。

ですが、その後は、
なかなかうまくいかない日が続いていました。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

ドイツ人のハセガワ(仮名)と付き合うことになってドイツに移住してからも
漫画の作品作りをひたすらがんばっていたのですが、

会議でなかなか作品が通らず、うまくいかない日が続いていました。

 

 

二年間ひたすら作品を送り続けて、それでもやっぱりダメで、
次が契約更新で最後のチャンスというときになりました。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

このチャンスをものにしようと、周りが心配するほどがんばるひららさん。

(ドイツでは仕事は人生を楽しむための手段であって、
苦しんでまでするものではないそうで、
ひたすらがんばるひららさんの姿勢は、
ドイツではなかなか理解してもらえないそうです)。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

ですが、

そんながんばりもむなしく、
会議で作品はボツになってしまいました。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

頑張った先で手に入れることができたもの。

 

一所懸命に打ち込んだ漫画がボツになるという結果に
何日も落ち込んでいたひららさんですが、

パートナーのハセガワ(仮名)が
ひららさんに「ドイツの出版社に作品を送ってみたら?」
というアドバイスをくれて、

その結果、なんと、
ひららさんはドイツの人気キャラクターの漫画化のお仕事をすることになりました。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

最初は、ひららさんは自分の絵でドイツの人に納得してもらえるのか悩んだりしたものの、
引き受けたからには全力で取り組みました。

 

そして、単行本が出るタイミングでなんと!
ドイツのコミケでひららさんのサイン会を開くことになりました!!

 

 

最初、ひららさんは「無名の自分のサインを欲しい人なんているはずがない」
と思っていて、当日会場に行くまでも憂鬱だったのですが、

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

行ってみたらなんと、
ひららさんのサイン会には120人もの行列ができていました。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

そして、サイン会に並んだ方からは
温かいメッセージが。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

このことによって、
漫画家としての自信をなくしていたひららさんは、
自分の作品が人を幸せにしていることを実感して
自信を取り戻すのでした。

 

「少女漫画家vsドイツ人」夏目ひらら 実業之日本社より

 

 

ひららさんのエピソードから学んだこと①。

 

ひららさんは、結局会議は通らなかったですが、
漫画を作るのをものすごくがんばっていらっしゃるのですよね。

 

ひたすら打ち込んで全力を尽くしてやりきったからこそ、
次のステージにすすむことができたのではないかと思っています。

 

これが、「全力を出し切った」と思えていないままだと、不完全燃焼になって
いつまでも次のステージに進むことができないのではないかなと思うのです。

 

 

また、私は、「なにかにかけたエネルギーは直接返ってこなくても
申し送りされる」と思っていて、

このときかけたエネルギーが、ドイツでの漫画のお仕事に
絶対に生きていると思います。

 

ひららさんのエピソードから学んだこと②

 

ひららさんは、「環境を変えたこと(日本の出版社からドイツの出版社)でうまくいった」と
本の中でおっしゃっています。

 

自分の能力とかは変わっていなくても、
周りの環境を変えることで自分の能力が生きて、
うまくいくということは多いと思うので、

もし今、懸命に何かをやっていても行き詰っていたり
うまくいかなかったりする場合、

思い切って環境を変えてみるのもいいのかなと思いました。

 

 

夏目ひららさんのコミックエッセイがおもしろい!

 

ということで、

ひららさんの本の一つのエピソードだけ紹介させていただきましたが、
本のほかの部分も日本とドイツの文化の差とか、

ひららさんとハセガワ(仮名)の恋の進展とかが書いてあって、

とてもおもしろいです。

ちなみにハセガワというのは仮名で、
名前のスペルがハセガワっぽいからだそうです。

 

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夏目ひららさんはコミックエッセイ以外の漫画も描かれていて、
日本で出版された少女漫画とか、
ドイツで出版された、ドイツの人気キャラクターを漫画化したものとかがあります。

ドイツの人気キャラクターを漫画化した作品は、

Bibi&Miyu

という、
ドイツのBibiという女の子が日本に来て、
日本のMiyuという女の子と一緒に妖怪退治をするお話だそうです。

英語版かドイツ語版のみらしいですが、読んでみたいです。

 

 

 

ひららさんは今ドイツ在住ですが、
今はいろいろと規制があってなかなか日本に帰れないそうです。

早く帰ってこられるといいなと思います。

 

 

読んでいただいてありがとうございました。

ひららさんのコミックエッセイも良かったら読んでみてください。
2話まで試し読みもできるみたいです。