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大掃除の日の気付き

23日の金曜日に、職場で大掃除がありました。

カレンダー上の最終出社日は28日なのですが、今日が最終出社日の人もいるので大掃除が今日になったのです。

この日程の決め方がすごく令和だなと思いました。

 

私が10年前に働いていた会社では、会社が休みになる前日を大掃除の日として、一斉に大掃除をします。

なので、長期休暇の前日は、どれだけその日出発の航空券の方がお得でも休めないのです。

それでも休みを強行してしまう人もまれにいましたが、そういう人は「協調性がない」という風に白い目で見られてしまう雰囲気でした。

 

10年以上前、会社の人間関係にとても悩んでいました

 

私は、その会社で働いていた頃、人間関係にとても悩んでいました。

 

「どうして普通にしているだけなのに、規定上なにも違反していないのに怒られるんだろう?」

 

当時、6歳上の女性のSさんという先輩がいたのですが、その人から私は徹底的に嫌われていました。

当時の私からしたらくだらないことで彼女は怒るのですが、でもこっちからしたら悪いことをしているつもりはないので意味不明。

一度は女子トイレに呼び出されて怒られたこともあり、「中学生かよっ。」と呆れていました。

 

「人の気持ちを考えた行動をしてほしい」という彼女と、「私なにも悪いことしてませんけど?会社の規定に反していることしてないし。」という私。

もちろん私の気持ちを声に出して言うことはないですが、多分態度や行動に表れていて、彼女はものすごく私にイライラしていました。

 

大掃除の日に、自分の正しさだけで行動していてSさんを怒らせた話

 

とある大掃除の日、私は担当する箇所が早く終わってしまいました。

一緒に掃除をしていた先輩Kさんからは、「掃除終わったし、事務所に戻って通常の仕事に戻っていいよ。」と言われました。

私は、事務所では周りにまだまだ掃除をしている人(特にSさん)がいることが気になりつつも、

「事務所掃除は私の担当箇所じゃないしな・・。」と、Sさんが掃除しているのを横目に自分の通常業務をしていました。

私と同じように自分の担当箇所の掃除が終わった人もいたのですが、その人たちはお茶を飲みながら休憩していました。

私は、「就業時間でお給料が発生しているんだから休憩するのではなく働かないとな。」という気持ちで仕事をしていました。

 

そして、Sさんにキレられたのです。

「なんで真横で掃除している人がいるのに仕事できる神経してるの?」

「掃除している横で仕事されるぐらいだったら見えないところで休憩されていた方がマシ!」

「15時までは掃除することになってるでしょ?」

 

 

私からしたら納得いかないことだらけです。

「Kさんから仕事に戻っていいって言われてるのに・・。」

「休憩する方がマシってなに?ダメでしょ。意味わかんない。」

 

当時の私からしたらSさんはただただ理不尽な存在でした。

 

10年以上経ってSさんの怒りの意味がわかった。

 

ですが、今回大掃除の日にSさんから怒られたことを思い出して、すべてがわかったのです。

 

「私は、人の気持ちを考えるということをまったくしていなかった。」

 

Sさんと働いていた頃の私は、人との関係においてとても自己中でした。

自分の考えや気持ちを説明しない。

その結果誤解されているのに自分は悪くないと反省しない。

 

 

私は、昔から人との関係をあまり築いたことがありませんでした。

理系だったこともあり、周りは男子学生だらけ。

その環境では1人でいることが普通でしたし、

人との関係で相手のことを配慮していなくても特に困ることはありませんでした。

 

会社に入って、「どうしてみんな私にこんなに怒るんだろう?」と悩みましたが、

「でも私は悪くない。」とくだらないプライド(?)や自己反省をしない幼稚さで、

問題は全然解決しませんでした。

 

退職後も、「Sさんはおかしい人だった。」という判断のまま、

「なんであんな頭おかしい人に出会ってしまったんだろうな。」とか思ってしまっていました。

 

 

ですが、退職後、いろいろ揉まれて、相手の気持ちを考えることの大事さ、

むしろ相手の気持ちを考えることによって結果的にお互いに関係が良くなるという当たり前のことに気づいていきました。

 

そして、先日の大掃除の日にふと気づいたのです。

 

「あの時の私は、Sさんにキレられて当然だったな・・。」

 

当時の私が大事にしていたのは「自分の正当性」。

「Kさんから仕事をしていいと言われた。」

「業務時間なのだから掃除が終わったら休憩ではなく仕事をすべき。」

 

この正当性だけで行動していて、

「周りの人の気持ち」を正当性以下のものとしていました。

 

でも今ならわかります。

「周りの人の気持ち」は「自分の正当性」よりも優先されるものです。

 

Sさんがまだ横で掃除をしているのに通常業務を続けていた私は、Sさんにキレられて当然だなと思います。

 

 

今でも、「自分が世の中ですべて正しい」と思い込んでいたSさんのことは好きではないし、

社会人にもなって女子トイレに呼び出す感覚はどうかと思いますが、

当時の私を今から見てみると、キレられて当然だったな、とやっと腑に落ちました。

 

 

10年以上経ってやっと気づくことができましたが、

10年かかったけど気付けて良かったなと思いました。

 

読んでいただいてありがとうございました。